7/5 岩手山(2038.2m)
大きな山。
1,400m上り、1,500m下って、なんとかその日のうちに東京へ帰りつきました。
疲れた!けど、楽しかった!。
オトクなキップ第2日です。
昨夜は盛岡駅前のビジネスホテルに泊まりました(ここもオトク割引あり)。
夕食には名物の盛岡冷麺をぴょんぴょん舎で食べてミーハーし、コンビニで翌日のお昼をやっと調達(閉店時間が思いのほか早い。だからかどの店も品薄で困った)して、モーニングコールを頼んで朝早くの出発です。(記事中の写真はクリックで拡大します。)
2009.7.5.(日) 岩手山(2038.2m)
盛岡5:41(IGR岩手銀河鉄道)→滝沢5:56/タクシー
(\2,760)→馬返(630m)6:20/6:30
…登山口(鬼又清水)6:40…0.5合目7:15…一合目7:45…豆腐岩7:50…ベンチ8:35…五合目9:40…七合目10:45…八合目避難小屋10:55…不動平11:25…お鉢に乗る11:45…薬師山頂12:05/12:30…平傘不動避難小屋12:55…ツルハシ13:40…コマクサ群落…中間点展望地14:15…第二噴出口跡14:25…焼走登山口(570m)15:45…焼走り溶岩流見学…焼走りの湯16:00/18:00 タクシー
(約15分、\2,500)→大更(おおぶけ)18:31(JR花輪線)
→JR盛岡19:07/19:41(こまち・はやて)
→東京22:08。
(各時刻は通過時間です。上りは亀足、下りは快速といったペースでした。山頂での休憩以外に、随時の休憩を含みます)。トイレは馬返駐車場、登山口と各避難小屋にあります。
登山口と八合目においしい水場があります。
【盛岡から馬返まで】
岩手銀河鉄道とはどんなにロマンチックな鉄道かと思いますが、ごく普通の鉄道です。馬返への最寄りの滝沢駅周辺は、自衛隊の演習場があるのに加えて盛岡への通勤圏のようで、きれいな街並みの新興住宅地という雰囲気でした。
タクシーは、事前に予約を入れておいたので(バス便なし)、電車の時間に合わせて駅前に待機していてくれました。この駅で降りた乗客は私たちだけで、「あら、きょうは岩手山空いてるのかなあ?」なんて思ったくらいです。
滝沢の駅前にはなんと24時間営業のコンビニがありました。さすが、新興住宅地です。足りない感じだった朝昼の食料をここで買い足してタクシーに乗り込みました。
駅を離れて、気持のよい緑の中を行きます。しばらくすると自衛隊演習場と滝沢牧場の間を走る道路になりました。3.5kmくらい、いかにも地図上に線を引いてきっちり二つに分けたといった感じの一直線の道です。その道の終点が馬返の駐車場になっていまし た。…今は『馬返し』ではなく『車返し』そのものでしたけど。
駐車場にはすでにたくさんの車が止められています。私たちが着くと同時に、大型観光バスがやってきて、30人くらいのツアー登山客が降りてきました。先に行くべきか、少し離れて後に付くべきか大いに迷いましたが、ひとまずお先に出発です。
緑あふれる林の中を緩やかに上っていくと鬼又清水のある登山口の広場に着きました。
おいしい水を飲んで、登山届を出し、やっと!登山開始です。
【馬返(登山口)から八合目まで】
昭文社の地図だと、登山口から7合目までコースタイム3:30というアバウトさですが、登山道には0.5合おきに標識があります。こんなことなら、もう少し細かく時間を書いておいてくれてもいいのになんて、勝手なことを思います。
きょうは長丁場になるので、とりあえず1合目まで1時間を目途にゆっくりゆっくりの歩き出しです。…結局、このゆっくりが山頂まで続いてしまいましたが。
一合目の少し先に、豆腐岩という岩があります。行く前にこの岩がなぜ豆腐岩といわれるのかを3人であれこれ考えました。①白い②四角い③柔らかい。さて、どれだったと思いますか?(って、くだらないことを言いながら歩いてます。)
2.5合目で本格的な新旧分かれ道になり、新道は樹林帯、旧道は急な露岩帯を通ります。ここまでにも新旧二俣に分かれるところが何箇所かありますが、私たちはずっと旧道を行きました。昨日、秋田駒男岳山頂で会った方が、お天気が良ければ旧道が見晴らしが良いですよと勧めてくださったのです。
【ヤマブキショウマ】【ウラジロヨウラク】
【ヤマオダマキ】【マルバシモツケ】
【ミヤマアズマギク?】【コメツツジ】
【シロバナニガナ?】【サワラン】
【シナノオトギリ】※よろよろしながら歩いているので?ピントが合ってません。
時々、低木林帯に入りますがほとんど露岩の道をずっと登りっぱなしです。 歩いても歩いてもまだ上のほうに人が見えます。いつまでこれが続くのかしらとちょっと弱気にもなります。
でも、振り向けばガスの切れ目からのぞく山麓の緑のじゅうたんがなんとも言いようのないほどすばらしく広がっているのが見えるので、また元気が出ます。
【昨晩、八合目避難小屋に泊ったという若者グループが元気よく下りてきました。10:25】
ホシガラスが目の前を横切って行きました。登山道から少し離れたところでは、イワヒバリ?がピイピイと高く上がっては急降下するのを繰り返しています。何をしているのかしら。
岩の間に、小さな花が咲いているのも見逃せません。
「花にあんまり興味あるわけじゃないのよ」って言っていたテンプルさんも、かがみこんで写真を撮っています。
【マルバシモツケ】【?綿毛がすごかった】
【ミネウスユキソウ?】【コミヤマハンショウヅル】
【イワヒゲ】【タカネスミレ?】
【カラマツソウ・ヤマオダマキ・チドリ】【ウコンウツギ】
【ベニバナイチヤクソウ】
そうこうするうちに、やっと七合目に着きました。周りはガスっていて広範囲の展望はききませんが、疲れる登りはどうやらここでひと段落のようです。休み休みほぼ4時間。亀足だけどまあまあいい調子なんではないでしょうか。
ここからは、ハイマツやミネカエデの間の緩やかな道を八合目避難小屋を目指して行きます。正面に大きな小屋が見えてきました。晴れた空も見たいのですが、ガスを背にした幻想的な雰囲気もかえって素敵です。
八合目避難小屋に着くと、登山口で遭遇した団体さんが休んでいました。途中で一度も会わなかったので、どうやら、樹林帯の新道を来たようです。
ここは清々とした広場になっていて、大きな小屋と別棟のトイレが並んで建っています。小屋の前にはすごくおいしい御成清水があふれるように流れていて、ほっと安心できるオアシスのようでした。
【八合目から山頂へ】
所々にオオバキスミレの咲く道を行き、不動平に着きました。濃霧や吹雪のときには方向が分からなくなりそうな広々した場所です。
今も、雪田を渡って吹いてくる風が強いわけではないのですがすごく冷たくて、私はここでレインウエアの上着をはおりました。下りてくる人たちが上下のレインウエアを着ていた理由がよくわかります。
さていよいよ最後のひと頑張りです。
砂礫の道をふうふう言いながら外輪山に登り着きました。やったー!。
目の前に小さな祠が現れたので、構図も考えずに思わずシャッターを押しました。祠の後ろの岩のまた後ろ左に見えるのが中央火口丘の妙高岳、その後ろ左にガスがかかっているのが岩手山頂の薬師岳で、右手奥にちらと見えるのは、お鉢めぐり一時間と言われる外輪山の一部です。
お鉢めぐりをする時間はなさそうなので、山頂に近いほうへ時計回りに進みます。見えているのになかなか近づきません。 登山道には薬師様?が彫られた石標が山頂へ人を導くといった間隔で立っています。 左右の斜面には、ここにもタカネスミレやコマクサが点々と咲いていて、「もう少しですよ~」と励ましてくれます。
山頂で大休止、お昼にします。足元遠くに見えるのは、八幡平市方面でしょうか。少しでも晴れ渡ってくれて、とってもラッキーです。
【山頂から焼走り登山口まで】
山頂から少し戻り、平笠不動避難小屋方面の道に入ります。ざらざらとした火山礫の滑りやすい道をジグザグに下りて行くと、途中の小さな岩場のそこここにイワウメが密生していました。
イワウメはほのかなクリーム色がなんとも優しげな感じで素敵です。今回の山旅ではここで初めて出会ったように思います。今まで見なかった植物が出てきたことで、上りの道とは違う場所に入って行くんだという気持がふっと胸の隅を横切りました。
山の表情って、山の向こうとこちらではずいぶん違うことが多いような気がするからです。
思いのほか早くオオシラビソやハイマツに囲まれた平笠不動避難小屋に着きました。ちょうど、先に出発していた例の団体さんが休憩を終えて出発の準備をしているところでした。長い列の間を縫って先に行かせてもらうことにします。
【振り返ると、岩手山がもうこんなに遠くなっていました。平笠不動避難小屋付近から。】
ツルハシ分れを目指して下ります。
一転して緑あふれる樹林帯の中の下りです。後ろの団体さんが追いついてくるのも気になって、なんだか駆けるように?飛ぶように?下りて行きました。上りはすっかり亀足でしたが、下りは韋駄天っていう感じです。
ここからしばらくの間は、シラネアオイロードです。両脇ず~っと、見渡す限りにシラネアオイが咲いています。すごい群落です。それにしても林の中はいい気持ちです。さっきまで歩いていた火山礫の山と同じ山とは信じられないくらいです。
【サンカヨウ】【シラネアオイ】
【ヒロハユキザサ/花終わり?】【スダヤクシュ】
【りっぱなダケカンバ】【シラネアオイ/サンカヨウ/エンレイソウも少し】
山頂から一時間ちょっとでツルハシ分れに着きました。ここは上坊神社からのコースとの合流点のようです。狭い場所ですし後ろも気になりますが、しっかり休むことにします。
しばらくすると、団体さんがやってきました。私たちも下りはけっこう飛ばしているつもりですが、この団体さんもずいぶん早足のような気がします。
ここから第2噴出口跡までがコマクサの群生地のようで、「それを見に来たのよ!」と団体さんの女性に言われました。私たちは昨日の秋田駒で満足状態だったので、特に期待もしてい なかったのですが…
【てっぺんに少し外輪山が見えていますが、あそこまで咲いているように見えます】
すっ、すごい。思わず笑ってしまうほど「これでもかこれでもか」と道の両脇見渡す限りにコマクサが咲いています。そのひと株ごとの大きいこと!。
ほんとにびっくりのコマクサロードでした。「もうしばらくはコマクサ見なくてもいいね」とは、なんともぜいたくな言いようです。
山頂と下山口の焼走りとのほぼ中間点にある展望地に出ました。はるか下に、焼走り溶岩流らしい黒々とした場所が見えます。晴れ間が広がって、なんていい気持ちなんでしょう。…でも、まだ半分しか来ていないの?。下り1,500mを侮ってはいけないのでした。
第2噴出口跡を過ぎるころには、さすがにお疲れモード。もう急ぐこともないので、ブナやミズナラの林の中で、オレンジなど食べて大休止です。この林の中では、ほんとにきれいな銀色に輝くようなギンリョウソウをたくさんみかけました。
右手に小高い溶岩流が覗かれるようになり、しばらくするとやっと下山口が見えてきました。歩き始めてから9時間、15時45分に岩手山登山終了となりました。
さてさて、これからきょう中に東京まで帰らなければなりません。
焼走り溶岩流を見学してから、徒歩3~4分の焼走りの湯に向かい、汗を流し生ビールで乾杯。『溶岩流ラーメン』など食べながら受付で頼んでおいたタクシーを待ちました(バス便なし)。
当初予定していた大更(おおぶけ)16:04発の花輪線には間に合わなかったので、次発(なんと2時間27分後)の18:31発で盛岡に向かいます。
花輪線の車窓には、私たちを見送ってくれているような夕暮れの岩手山がずっと見えていました。あらためて、大きくて美しい山だったなと思いました。
この二日間、良く歩いたオトナ3人。疲れたけれど、楽しかったね。
✿花の名前など、間違いがありましたら教えていただけるとうれしいです。
…………………
昨日からきょうにかけて北海道大雪山系で遭難があり、10人の中高年登山者が亡くなられたとのことです。ご冥福をお祈りするとともに、自分たちももう一度初心に立ち返って、真摯な気持ちで自然の声に耳を傾けなければと思います。合掌。(2009.7.17.by pallet)
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コメントありがとうございます。
岩手山も晴れてよかったですね。
旧道の登りは如何でしたか?
焼走方面に降りられたのですね。
次回行くときは私もこちらに行ってみたいと思いました。
投稿: えいじ | 2009年7月20日 (月) 09時18分
>えいじさん コメントありがとうございます。
秋田駒男岳山頂でシャッターを押してくださったのは、やっぱりえいじさんだったのですね。
たまたま『えいじ@山歩き』ブログを拝見して、これは絶対!って思ったのです。
岩手山も、勧めていただいた旧道を行きました。岩々してましたけどなかなかおもしろく、何より景色が広がるのがよかったです。焼走りへの道は、コマクサがほんとにすっごかった!ですよ。
いろいろありがとうございました。楽しい出会いですね。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: pallet | 2009年7月20日 (月) 11時01分
東北の山旅、よかったですね~
花もいっぱい咲いていて、シラネアオイが「はいはい、分かりました」って言うくらい咲いてるなんて(すごくよく分かる表現!)、素晴らしい♪
私も平日行ける身分になったら「大人の休日」仲間入りしようと思っています。
秋田駒と岩手山、参考にさせていただきますね。
投稿: sanpo | 2009年7月20日 (月) 21時31分
>sanpoさん こんばんは
秋田駒、いつかこの時期にぜひいらしてください。絶対お勧めの花の山でした。
私はずいぶん前に真夏に出かけて、台風に会い止むなく引き返したことがあるのですが、そのおかげでこの時期に再訪できて、結果オーライだったなあと思いました。一週間ずれてもまた違う花が見られるようです✿❀❁きれいでしたよ~。
投稿: pallet | 2009年7月20日 (月) 23時21分