6/5 新潟大学演習林・内海府ルート(佐渡 その2の①)
佐渡の旅二日目。
きょうは、この旅のそもそもの目的である「原生林と杉巨木群」・新潟大学演習林内の トレッキングです。
佐渡その1のレポはこちらから。
この新潟大学演習林の中には誰でもが自由に入れるわけではなく、トレッキング目的での入山者が一日16名迄に限定されているエコツアー(こちらです)を申し込んで、専門ガイドさんと一緒に歩くことになっています。
「無許可入山者が相次いでいる現状から、一定のコントロール下での入山を許可し原生林を守る」のがコンセプトです。
心配されたお天気(この日未明にまたすごい雷雨がありました)もまずまず、どんな森が待っているのかとっても楽しみです。
朝8時、両津港に集合して登山口に向かいます。
きょうのガイドは I さん、同行者はお若いNご夫妻と専門ガイド研修中の新潟大学院生のNさん、そして私たち夫婦の計6名です。
9:00
ピンク色のタニウツギがたわわに咲く登山口(標高約290m)から森へ入ります。
枯れ枝の落下から頭を守るために、ヘルメットが配られました。
ヘルメットを被るのは初めて。なんだかこの時点でもうわくわくしてきます。
標高が高くなるにつれ、コナラの森がミズナラの森になって行きます。
この辺はカシの木を伐採したあとの二次林なのだそうです。
ここまでに、エンレイソウ、フタリシズカ、ツクバネソウ、クルマバソウ、ホウチャクソウなど白やグリーン系の花がたくさん咲いていました。
登山道を少し進むと、花の終わったミスミソウに変わって姿を現したのはオオイワカガミです。
白・淡いピンク・濃いピンク…綺麗なグラデーションを見せて群生しています。
オオイワカガミが途切れると、チゴユリの群生が現れました。
なんだか段々になっているように見えるここは、昔水田があった跡だそうです。
今はサワグルミやミズナラなどの落葉樹の「渓畔林」になっています。足元にはシダやテンナンショウなどが密生していてジャングルのよう。
それにしても、なんでこんな山奥に水田が…。
佐渡の原生林は、金山統治の影響で山林への厳しい管理で残されてきたとのこと。
幕府の直轄地(江戸時代初期から)、皇室・御料林(明治23年から)、新潟県・県有林(大正13年から)、新潟大学・演習林(昭和30年から)という経緯があるそうです。
水田の他にも、炭焼き窯の跡なども見られました。
この山の麓に住む人々が、生活の糧を得るために山深い場所でひっそりと田を耕したり炭を焼いていたということなのでしょうか。
登山口から一時間半ほどで、気持のよい沢へ降り立ちました。
NさんがNご夫妻に説明しているのは、この辺りのサワグルミについてです。
Nさんは、サワグルミが研究テーマだとのこと。
大きいのがオニグルミ、小さいのがサワグルミの実だそうです。
この沢筋では日本人(牧野富太郎博士)が初めて学名を発表したことで有名だという「ヤマトグサ」にも出会いました。
私はこの花は初めての見聞だったのに、うまく写真が撮れなかったのが残念です。
すっと伸びた美しいサワグルミを見ながら沢筋でひと休みのあとは、また森の中を関と大倉の分岐点へ向けて進みます。
分岐には、きりっとしたお顔の大日如来像が坐しておられ、脇には真新しい道標が立てられていました。
きょうの行程は、この分岐を関方面へ進み、山毛欅ガ平山周辺をトレッキングし、大倉白庭(オオクラシラバ)と上の平湿原を経由してまたここへ戻ってくる周回コースとなっています。
関越えの道は昔の生活道ですが、所々にロープが渡されているような場所もあるなかなか大変なルートです。
ザル坂清水という処で、ちょっと恐ろしげな伝説などのお話を聞いてさらに急勾配になった道を進みます。
うっそうとした森の中では、小さな虫たちも日々の糧を探して動いています。
この虫はなにかしら。私のカメラから逃げようとして、枯れ葉に頭だけ突っ込んで隠れたつもりになっていますよ 。
急勾配の足元に気を取られて歩いていると、目の前に小さな石仏が。
「あらかわいい!」ともう一歩足を上げると…
目の前がぱあ~っと開けて、向こうに海が見えました。
下の林道は、新潟大学の演習林管理道路です。
林道わきに降り立って、しばらくの間この開放的な空間を楽しみます。
新潟大学演習林・内海府ルート(佐渡 その2の②)へ続きます(こちらです)。
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