6/5 新潟大学演習林・内海府ルート(佐渡 その2の③)
巨木の森から林道に降り立つと、なんだかタイムスリップの魔法が解けたような不思議な感じ …
林道を少し戻って向かった周回コースの後半は、前半とはずいぶん雰囲気の違うコースでした。
❀ ❀ ❀
鬱蒼とした森から出て空を見上げると、ちぎれ雲の浮かんだ青空が目に優しく飛び込んできました。
森の中は少し霧が出ていたほうが雰囲気があるかも…と思っていましたが、梅雨のさ中のこのお天気をむしろ喜ばなくてはいけないでしょうね。
来がけにも目にしていた林道わきに咲くこのシラネアオイ。
まるで花束にしたようにまとまって咲いているのがなんともキュートです。
これから進む稜線が見えてきました。
中が青い石。そういえば近くにアオネバという地名が…
振り向くと巨木の森がこんもりと見えています。あんな形の山だったのね。
14:20 これから稜線を越え、大日如来像のあった往路の分岐まで下るのが周回コース後半の行程です。
稜線を越えるとすぐに、また杉林の中に入りました。
杉林の中にあったこの三角点は?
後ろにあるかもしれない文字を確かめそこねましたが、四隅の角が削られているしこの文字もあんまり見かけたことがないような気がします。
急勾配の踏み跡少ない山道をどんどん下ります。
お若いNご夫妻はさすがに早い。遅れないように必死?で付いていきます。
しばらく行くとぱあっと視界が開けました。
向こうに見えるのは大倉白庭(おおくらしらば/大倉芝場とも)と呼ばれる草原です。
みんな急ぎ足になって草原に降り立ちました。
なんて気持ちのいい場所でしょう。
季節によっては、放牧されている牛に出会えることもあるそうです。
日本海と両津湾が見えるということでしたが、今は霞がかかって見えません。
でもこれ以上のものは何もいらないと思うほど、のびのびとして爽やかな休憩地です。
みなさん思い思いに寝そべったりストレッチしたり♪
ひとしきり休んで、レンゲツツジの咲く中をゆるく下って行きます。
足元に続く青いカーペット…。
しばらくすると明るい林の中を行くようになって、右手に湿原地帯が現れました。
上の平湿原です。
昔ここを生活の場とした人々が大切に守ってきた場所だとのことです。
写真では見えませんが向こうの水面には浮島が浮いていて、この貴重な自然を守るために「自然環境保全地域」に指定されていました。
緑のシャワーが気持ちよい林の中はまだ明るくて、緩やかな下りの道を行く足取りも軽く進んでいますが…あらら時刻はもう15:00を過ぎています。
ほどなくして、周回コース分岐点に戻りました。
「大日如来様、後ろの森で一日遊ばせていただきましてありがとうございました。
とても素敵な一日でした。でも登山口へ下りるまでもう少しの間お邪魔しますね」
木々の間から差し込む午後の日差しが優しげです。
往路で休んだ沢筋で最後の休憩をして、 登(下)山口へ急ぎます。
往路で『迎えの三本杉』と説明を受けた三本の杉。
物静かなN夫人が「帰りは、『見送りの三本杉』ね~」と通り過ぎて行きました。
ふふっ。
16:30 下山予定時間ぴったりに、迎えの車の待つ登(下)山口に到着。
盛りだくさんな一日。ほんとに楽しかった♪
I さん、Nさん、Nご夫妻、御一緒させていただいてありがとうございました♪
特に、Nご夫妻にはお許しも得ずに(私の前を歩いてらしたので…)モデルになっていただいてしまって、この場を借りて心からお詫びと御礼を申し上げます(このブログがお目に触れることもないとは思いますが…)。
ユニークな形をした巨木たちの住むこの辺りは、冬の積雪の多さや季節風の強さはもちろんのこと年間を通じて霧が発生しやすい地域だとのことです。
この日は足元の雪も姿を消し、梅雨時にしては暑くもなく寒くもないベストなお天気でしたが、贅沢なもので現地にいる時には「霧の湧く日のほうがよかったなあ」なんてちょっぴり思いながら歩いていました。
予測していたこととはいえ花は端境期だし、残雪や霧の中に立つ巨木群の写真を見慣れていた目には、明るさに包まれた木々はなんだかあっけらかんとしすぎているようにも思えたからです。
でも、帰ってきてからは、本来の森の姿を見るには一番いい季節だったのかもしれないと思うようになりました。
雪解け後に咲き始める花からレンゲツツジまでが一緒に開花しているのです。
今更ながら、佐渡の自然の豊かさに気づいて驚いています。
この自然環境がどうか後世にも受け継がれていきますように。
新潟大学演習林・内海府ルート①~③ おしまい。
佐渡その3のレポはこちらから。
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palletさん こんばんは♪
佐渡の自然の豊かさには驚かされますね!
それにしても まだまだ可愛いお花がいっぱいですね
見事なシラネアオイ 可愛いですねェ
巨木もいいですね!木の名前がよく分からないので勉強せねば!
森の中なのにこんなにお花が咲いてるとは知りませんでした
あ~私も次回は佐渡でお天気に恵まれたいわ
今から楽しみです(#^.^#)
投稿: 矢車草 | 2011年6月28日 (火) 20時20分
pallet さん
佐渡の演習林は素晴らしいですね。
コナラやミズナラの森はもちろん、サワグルミの林もいい雰囲気
そしてシダの絨毯、ところどころの石仏も♪
大王杉や仁王杉や名前もない大杉の、多分豪雪のせいでできた枝の形
拝見していて、自然の力に圧倒されるばかりです。
とってもいい旅だったみたいですね(o^-^o)
次は美味しいもの編かなぁ・・・
投稿: はなねこ | 2011年6月28日 (火) 21時43分
❀矢車草さん
矢車草さん御夫妻は、お天気残念!でしたものね。
私たち今回は“森”がメーンだったのでお花は端境期を承知で出かけたのですが
咲き残っていたものなどがあって、少しは楽しめましたよ。
一日のうちにいろいろなシーンが現れる自然の豊かさに感銘!でした。
投稿: pallet | 2011年6月28日 (火) 22時50分
✿はなねこさん
。
今頃になって、いい森だったなあなんて思っています。
あれって、一日のことだったのね?な~んても。
石仏はほかにもあって、昔の人々の生活道だったことがよくわかりました。
峠道って、いつもいろいろな物語を思い浮かべられてほんとに素敵です。
盛りだくさんだったけれど、なかなかいい旅でした~
投稿: pallet | 2011年6月28日 (火) 22時57分
見事な森ですね。
ほんとはこういう形で保護しなくても残せていけたらいいのになぁと思います。
それには私たちの心がもっと豊かにならないといけないですよね。
暮らしの豊かさを追い求めてきた時代から、
次の時代に進まなきゃとつくづく思います。
あー、それにしても、佐渡、いいなぁ…。
投稿: ヒサ | 2011年6月29日 (水) 20時54分
>ほんとはこういう形で保護しなくても残せていけたらいいのになぁと思います。
私もそう思います。
でも、ドンデン山や金北山あたりもこの数年で登山者が激増していることをみれば
何らかの手を打たなければならなかったんだろうなと思います。
私もこの記事を書くのに少しはカモフラージュしたつもりなんですけど…
>あー、それにしても、佐渡、いいなぁ…。
島って独特の自然と文化を持ってるのでしょうね。
投稿: pallet | 2011年6月29日 (水) 22時16分
ずいぶん 遅いコメントですが お許しを
大杉をご覧になったのですね
羨ましいです
わたしが GW中に佐渡に行ったときは。山の準備はしていたものの
、心は観光モードでした。
大杉のことは現地で知り、ぜひ訪ねたかったのですが
(もちろん大学演習林でなく、金剛山入口ちかくの 巨杉巡り遊歩道) 入口までの林道が雪のため閉鎖されていたので、引き返しました。残念でなりません
もし佐渡再訪の機会がありましたら
大佐渡山脈縦走と巨杉訪問の願いを叶えたいです
ホントに羨ましいです。
投稿: ba_sobu | 2011年7月21日 (木) 09時13分
↓ の アドレスを
投稿: ba_sobu | 2011年7月21日 (木) 09時19分
*ba_sobuさん ようこそ♪
。
佐渡へ行く前に、ba_sobuさんのレポもしっかり(こっそりかな)
見せていただいてました。
で、今年はまだ雪が多いなあ
なんてちゃっかり参考にさせていただいてたんですよ
島の森は、たぶん一種独特の植生を持っているんでしょうね。
お花を見る山旅とはまた違った面白さだったんじゃないかと
思っています。
投稿: pallet | 2011年7月21日 (木) 15時19分