三月十一日 / 赤は底の色
この一年、私が折りにふれて思い出していた一枚のスケッチがあります。
子どもの描いたようなへたなスケッチを恥ずかしげもなくここに載せたのは…
2000年の暮れ、伊東温泉で冬の花火を堪能した翌日に真鶴の中川一政美術館を訪ねました。
途中の真鶴港でそのころマイブームだったスケッチをし、あまり時間がないので帰宅してから色を付けることにして先を急いだことを覚えています。
帰宅後、船の色は好きな色を適当に選んで塗ったのですが…。
造船関係の仕事をしている知人から「赤色はねえ、たいてい底の部分に使う色なんだよ」と教えられました。
「鋼鉄製の船舶には、黄色の下地処理用錆止め塗料を塗ったうえ、赤色の上塗り塗料を塗る場合が多い。船底塗料の剥がれ具合をわかりやすくするために、黄色と相反する(赤)色を使う。」
東日本大震災の津波で陸に打ち上げられた多くの船舶を目にするたびに、そのことをこれでもかこれでもかとあらためて教えられていた一年でした。
このスケッチをした当座、誰が陸に…それも高い建物の上に船が打ち上げられるなどと考えたでしょうか。
未曾有の大震災から一年。無くなられた方々の御冥福をお祈りし、被災された方々が一日も早く普通の暮らしを取り戻されますようにと願うばかりです。
微々たることでも、私にできることから…
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>赤色はねえ、たいてい底の部分に使う色なんだよ
確かにそういわれてみればそうかもしれない・・・
でもpalletさんに言われなかったら気づかなかったな、ちゃんとした理由とか。
いや~~~、ホント、palletさんは多才ですね!
素晴らしいと思いますよ、このスケッチ。
温かい色合いが又素敵(^^♪
投稿: cyu2 | 2012年3月12日 (月) 12時40分
✾cyu2さん こんにちは
……


きょうもまた、ニュースに出てきた船の底が赤色なのに気づきました。
知らなかったことをこんなふうに教えられるって
せつない以外の何物でもありませんよね。
cyu2さんの記事も読ませていただきました。
ほんとに「わすれないこと」が大事と思います。
スケッチ、褒められちゃったぁ……
投稿: pallet | 2012年3月12日 (月) 15時17分
pallet1さん、こんばんは~♪
素敵なスケッチですねェ。
もう、palletさんは何をしてらした方なのか?
お会いしたらドキドキしちゃいそうです(笑)
あれから一年ですね。
お孫ちゃんを迎えに自転車で走ったpalletさんの姿が目に浮かびます(#^.^#)
本当に少しずつでも平和な時間を被災されたからが
持てますように祈るばかりですね。
投稿: 矢車草 | 2012年3月12日 (月) 19時41分
❀矢車草さん こんにちは
>お会いしたらドキドキしちゃいそうです(笑)
うふふ、私はがっかりされちゃったらどうしよ~
ってドキドキしちゃってますぅ
一年って、長くもあり短くもありですが
この一年ほど、深いところで静かに価値観が変化していった一年は
なかったように思います。
少しでも明るい光が見えてほしいです。
投稿: pallet | 2012年3月13日 (火) 14時36分